STORY
それは不治の病“腐死”により、女性が激減した大陸での一幕。
南方の国“ルス”で生きる少女ナァラは、北方の国“ナスラ”に母を奪われ、幼くして肉親を失ってしまう。
途方に暮れた彼女を支えたのは「兄」とも慕う、幼馴染の次期国王、オーリだった。
そんな悪夢のような夜から数年後。
ナァラは国王一家に養女として迎え入れられ、オーリの許嫁として過ごす日々に安寧を感じ始めていたが……
再び襲いくる悪夢――女を奪うナスラの大軍を前に、決断の時が迫る。
掴むのは従属の未来か、それとも……
KEYWORD
不治の病『腐死』
女性に対しての感染率が高く、一度患えば臓腑が腐りだし、ほとんどが死に至るという恐ろしい病。
主に北方で流行った為、ナスラは深刻な女性不足に陥った。
北方の国『ナスラ』
ツェグ川を境にして、大陸ハリムの北方に位置する国。
海外との貿易、豊富な資源のおかげで、元は裕福な国であったが、十数年前に流行りだした病『腐死』により女性が激減。
以降、度々ルスに侵攻し、女性を奪取するようになる。
生活形態は南方のルスに近いものであったが、半世紀ほど前から王都を構え、ほとんどの民が定住している。
南方の国『ルス』
北方に比べてツェグ川からの支流が多く、季節毎の寒暖の差が激しい。
気候の変化によって定住地を変える移動民族国家だったが、ナスラの侵攻を警戒して、近年では王都を構え、定住するようになった。多くは草原地帯。
『ナスラ選択法』
ナスラ王トーヤが定めた、主にさらわれてきた女性達に適応される法律。
『女性に無理強いしない』『女性に夫を選ばせる』『女性は夫を選ばなければいけない』の三原則からなる。
『第一区』
ナスラ王都の中でも、王侯貴族、またはそれらと関係する一部の優秀な者のみが入れる特別区域。(例外として商人は出入りを許されている)
高い石壁に囲まれており、通行許可証がなければ出られない。