――過ぎた時間は戻らない、
ただ、思い馳せるのみ。
2005年、9月の秋晴れに染まる中国中部地区の中心都市『武漢市』、別名“江城”。
丘 誠は、幼い頃より両親から厳しい躾を受けて育った。
親の所有物のように生き、自分の夢を諦め、自由を束縛された日々を送る毎日。
ただひとり、団地の幼なじみ・墨小菊の存在だけが彼の心の拠り所となっていた。
幸運が舞い込んだのは、9月の新学期。
様々な偶然と幸運のもと、丘誠は念願だった芸術科への転入を果たすことができた。
そして同じ時期に転入してきたミステリアスな美少女・文 菫との出会いによって、
今は絶交状態になっている幼なじみとの関係も、
この巡り合わせの中で新しい形に生まれ変わっていくことになる……。
絶交中のワケあり幼なじみ・墨小菊と、
ミステリアスな孤高の天才・文菫。
全く異なる色彩の少女二人と織りなす真っ白なキャンバスは、どんな色に染まるのだろうか――