主人公・大蔵遊星は、日本の財界を代表する “華麗なる一族” 大蔵家の末端に、望まれぬ子として生を受けた。 優秀な親族や家庭教師のもとで厳しく育てられた遊星は、多芸に秀でた万能家であったが、 言うなれば籠の中の鳥であり、およそ人並みの夢や希望などとは無縁の生涯だった。 そんな遊星が、初めて一族の監視下を離れ、ひとりで外の世界へ出る機会を得た。 名もなき庶民の娘・小倉朝日となって素性を伏せ、 上流階級の子女が集う服飾専修機関 『フィリア女学院』 へ潜入することになったのだ。 その一環として遊星 (=朝日) は、学院一のスーパー同級生・桜小路ルナに仕えるメイドとして、 彼女の住まう 『桜屋敷』で働くことに。 そしてそこには、ルナと縁のある学院生らが同居するという。 一人はスイスから来た誇り高き留学生・ユルシュール。 一人は旧華族の流れを汲む家柄の大和撫子・花之宮瑞穂。 そしてもう一人が、少年時代の主人公に恋していた庶民派の社長令嬢・柳ヶ瀬湊。 いずれも個性的なお嬢様方に加えて、それぞれに付き従う超個性的な従者たちが遊星 (=朝日) の生活を引っかきまわす。 果たして遊星は、素性 (おもに性別) を偽ったまま、屋敷と学園の二重生活を無事に過ごすことが出来るのか? |