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「……だ、大丈夫か！？　お嬢！」
「痛い所あったら言ってくれよ！　オレのせいなんだし……　って、ん？」
「う、うわぁーー！　なし！　今のなし！」
「ご、ごめん！　別に下心があって抱きついてたとか、そんなんじゃないから！」

「ナイフで切れてる。手当てするから見せてみろ」
「僕ならあそこであの攻撃を避けることはできた」
「余計な手出しをするとこうなるんだ。以後気をつけろ」
「……お前にこんな怪我をさせたらパーパやマンマが悲しむ」

「……ん？」
「はぁ……バンビーナがいるならいるって言えヨ……」
「ま、寝起きにヤローの顔だけ見るよりは万倍マシだけどな」
「ワリィな、バンビーナ」
「こんな姿は、もっとオレたちのカンケイが進んでから見せたかったゼ？」

「ん！？　お嬢ももしかしてこれ食べたかった？」
「ごめん、最後のひとつだったね、じゃあこれあげるよ」
「ほらほら、あげるよお嬢」
「おれは全然気にしないからさ、食べて食べて」
「はい、んー」

「お嬢様……？」
「おはようございます、お嬢様。今日も愛らしい寝ぼけ顔ですね？」

「……これは、俺の咎だ……」
「……お嬢さんはもう、この件を忘れてくれ」
「もうこんな事態は起こさせない。だから……」
「すまない、お嬢さん……」

「どうした？　私が何を考えているのか、さっぱり分からないといった顔だな」
「それでは私の心を読んでみるといい」
「何か見えたかね、お嬢様」
「クッ……その顔では、全く理解できなかったと言っているようなものだ」