円環のメモーリア-カケラ灯し-

物語 -story-

遠い天の国の神様、私たち人間が生きるこの地に棲まう神様。
風火地水、自然に宿る神々。
道具が変化したつくも神や、動物や人の魂が祀られて神となった魂。
この国には太古の昔から、たくさんの神様がいる。
そして今、この時代。
私たち人間のすぐ傍には……私たちを護るために生まれた、新たな神様がいる。
人類の叡智の結晶とも呼ばれる、人工神。
──私たち人間は、とうとう自らの手で神様をも作り上げてしまったのです。



夏の暑さがまだ残る頃、生まれ育った白葵町に引っ越してきた
主人公 香月紗結と歳の離れた兄・ 香月湊。
「うっすらとだけど、町並みは覚えているような気がする……」
懐かしい気持ちで町を歩く紗結。
彼女は両親が亡くなったショックで過去の記憶が曖昧になってしまっていた。
不安もあったが、優しい兄と支えあって生きていた紗結は、
大切な今と未来を見据え、無理に過去の記憶を思い出すことはしていなかった。

紗結が転入して1週間。
この町にも学園にもすっかり馴染んできたある日。
白葵学園に転校生がやってきた。
彼は真っ先に紗結のもとに歩いてきて──

「やっと会えた……。俺は花葵神社の『人工神』だ!俺の力を取り戻すためには、
お前の失くした記憶が必要なんだ! 頼む!一緒に探してくれ」

自身を『人工神』だと名乗る不思議な青年・香月蓮は幼い頃に紗結と出会い、
『紗結の記憶』と『蓮の神様としての力』を封印してしまったことを告げる。

空白の記憶 ──

失くしてしまった記憶のカケラを探す物語が今、始まる……。

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