セミの鳴き声轟く宿の広間で一人、
夕メシに使うエンドウ豆の下ごしらえをしていた日天。
そこに寝起きの笑男が降りてくる。
どこか不機嫌そうな日天の様子を窺いながら話を振っていたが、最近宿に来た鋼と言う住人と自分を比べ、相手をベタ褒めしだした日天。

「日天って、無神経なとこあるよね」

二人の不満の間でエンドウ豆がはじけ飛ぶ。

町中に甘い香り広がるバレンタインデー当日。
ココのお遣いを兼ねてデートをしに町に出かけた日天と成臣は、町の住民達から沢山のチョコを貰う。

その帰り道、日頃の恩返しも兼ねてホワイトデーのお返しをしたいと言い出した日天。
最初は否定的だった成臣だが、ふと名案を思い付く。

「既製品ではなく、一緒に手作りしませんか？」

かくして各々の思惑を抱いて始まったホワイトデー作戦、結末やいかに。

冷たい空気が身にしみる年の瀬。
ストーブと住人達の活気で温まった広間で、最近宿に来た老人と囲碁を楽しんでいた日天。
一勝負が終わりふと周りを見渡すと恋人のココがいない事に気付く。
気になって宿中を探すもどこにもいない。
寒いのでまさかとは思いつつ縁側を覗けば、そこには布団に包まって雪見をするココの姿があった。

「日天くんって基本的に年上の人には敬語と敬称なのに、僕には最初からタメ口だし呼び捨てだよね。なんで？」

寒空の下、あったかお布団の中で雪見をしながら敬語で遊ぶ二人のほっこりな一夜。

落葉舞い散る暖かな日差しの中、商店街で秋の味覚を味わっていた日天とあすく。
そのさなか、日天の匂いに引き寄せられた町の住民に襲われてしまう。
しかし日頃の特訓の成果により、暴漢達を見事に撃退した日天。
誇らしげな日天に調子に乗るなと喝を入れつつも、内心日天の成長を喜び油断していたあすくは背後から襲われて大怪我を負ってしまう。

日頃滅多に負傷しない為に欠損部の再生が遅いあすくを日天がべそべそしながら一生懸命お世話するハートフル介抱ストーリー。